あたま日記

小学生の落書き帳みたいな気持ちです。

東京、現像、祈り

写ルンです買った!
写真撮った。
タイに行ったから。

何を撮ったかすっかり忘れた頃に
現像しに地元の写真屋さんに向かった。




〜間〜




「ごめんくださ〜い」

無の写真屋さん「・・・・・・」

「ごっ、ごめんくださ〜〜い」

無の写真屋さん「・・・・・・」

「帰ろうかな」

有限の写真屋さん「ァ〜マッテテ〜!」


無からおじいちゃんが出てきちゃった。
おじいちゃん先生みたいな感じの、
お手本みたいなおじいちゃんが現像の手立てを
テキパキやってくださった。


👴「ここにお名前ね、それでここに、番号ね」

👴「アラ!あなた○○さんとこの!」

👴「どうりで別嬪さんなわけだ〜肌も白くて、ねえ、皆さんお元気?」

「ふん、おもしれー田舎……」


なんもおもしろくない。
こんなこと言ってない。
普通にお返事して、元気ですっつって、
現像の手続きをした。


苗字ひとつでどこの家の人かがバレて、
顔もしっかり知られていて、
私は知らない人達が、私の事を知ってる。
私なんかよりずっと私のことを話してる。



田舎は怖い。田舎は狭い。田舎は呪い。
地縁血縁、大嫌いだなって思った。



この血がこの土地で生きながらえるくらいなら
早く誰か奪い取ってくれよ。殺してくれ。
そんなことを考えたりもしたけど、
あんまり考えると気分に良くない。

良くないからやめた。

控えを貰った。

ペラい紙に書かれた自分の名前は、
どこまでも腹の立つ字だった。




〜間〜



👴「去年から委託先が変わってねえ、もう古いでしょそういうの。だから減っちゃったのね委託先。それで去年から東京に頼むことになって、ねえ。現像、2週間くらいかかっちゃうけどいい?」


手続きを終えてから、内情まで交えて
現像委託先が東京になったことと、
それによって時間がかかることを教えてくれた。

全然全然大丈夫です。もう使ってる人も少ないですもんね。そうですよね。


写ルンです渡した。
おじいちゃんとバイバイした。
バイバイした足で、東京に向かった。


これは別でまた書くけど、

私の破壊と再生の土地

Pt.の関係性を初めて教えてくれた土地

阿佐ヶ谷に行った。

暇だったし、やること無かったし、
私は阿佐ヶ谷が好きだったし、
まだ好きかどうか確かめたくて。
(ちゃんとダイッッッスキでした!!!!
阿佐ヶ谷!!!!!お前が好きです!!!!)




東京に行くなら、東京の写真屋さんで
現像してもらえば当日中に出来たんだろうな〜
と電車に乗りながら思った。


東京は何でもある。
東京は早いし、広いし、多い。



2週間現像を待つ必要もないし、
阿佐ヶ谷にだって3時間かける必要ない。
茶店なら見つけ放題だし、
電車なら23時以降でも通ってる。


東京、でけ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
概念として、感情として、モノとして、
でっけえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




〜間〜




でも東京にいたら、現像されるまでの2週間
何が映ってるかな、どんな顔してるかな、
どんな色かな、光があるかな、綺麗かな、
とかってワクワクする期間が無かったな。



クソゴミの、平べったい、
絶望も希望ものっぺりつぶされた、
事なかれ主義の、
気の持ちようだよで全部突き放す、
お仲間意識と選民意識の混ざりあった、
小さい田舎で待つ2週間、
唯一の希望みたいに
私は今日も手続きの紙を握っている。


地縁と血縁に蝕まれた名前が書かれた
ぺらっぺらの手続きの紙。
ワクワクだけを祈りのように続けてる。



いつか全部の呪いが解けたらいいね。