あたま日記

小学生の落書き帳みたいな気持ちです。

お風呂行った!

諸々があり家を出た。

新生活が始まった。

まだ何も慣れていないし、何もかも
始まったようで終わったような気もする。
終わったようで始まったような気もする。

何が何だか分からない。

分からないまま入院して、
分からないまま殴られて、
分からないまま歳をとって、
分からない振りをしたまま大きくなった。

私はまだまだ分かっていない。

ただひとつ、確かなことだ、分かるのは
これから私が1人の私として、人間として、
生きていかなくてはならないということだった。




〜間〜



今日は部屋の大掃除をした。

色々片付けて、色々置かせてもらった
(引越し先は2人1組同居なので)。

荷物の嵩に比例して自分がお荷物のような
感覚が肩に、頭に、眉間に、のしかかる。

いかんせん振り払えない出自のことや、
知らないからといって押し通せない自身のことを
罪悪感などと簡単にまとめてみるものの、
一向に何からも誰からも許されない。


こういった根拠不明無実無根無い無い尽くしの
罪悪感を、これから薄めていくのだと思う。


私は私で良いのだ。大丈夫だ。


私は多分、自分のことをお荷物だと思うような
荷物を持たずに外へ駈け出て良いのだ。

多分と言わずに思える日を持つべく、
今ここにいるのだ。


そうぼんやり、荷物の整理で熱を帯びた
体と頭で考えた。気付いたら部屋は随分綺麗に
なっていた。



〜間〜



掃除があまりに大変で、全身汗浸しになったので
スーパー銭湯にいった。

私は女なので当然女風呂で、
老若女の裸体を目にした。


丸い頬、四角い踵、膨れた腹、真っ直ぐな脚、
子供、大人、白、黒、茶色。


私もかつてああだったのだろうか。
子供たちを見て思った。
まっすぐ小枝のように、何も疑わずに
伸びた手足を持っていただろうか。

きっと違ったに違いなかった。違う。
私の両手両足は小さく縮こまって震えていた。
まだ幼い子供だった。痣だらけの身体をいかに
体育の授業中いかにして隠すかを考えていた。


私もいつかこうなっていくのだろうか。
年老いた女性を見て思った。
小さく丸まって、膨らんだ腹と二の腕、
弛んだ皮膚に刻まれた無数の皺を得るのだろうか。


まだ私には分からない。

私のこの白くて真っ直ぐな腕にいつか
色々なものを抱えて皺が出来るのだろうか。
肋が浮き出たすべすべとした作り物のような腹に
脂肪が重なっていくのだろうか。

それが在り来りの幸せだと享受することすら
忘れる幸せが、私にも来るのだろうか。


かつて違った子供たちが、いつかどうなって
社会と関わるのか、私には分からない。
私には私の関わり方や、私だけの幸福があるはずだ。

色んなことを許したい。
私は私のことを許したい。


いつか認められるように今後なっていけば
いいな〜、と水風呂でひんやりした頭で
考えた。